あなたの筋肉は霜降りかも?筋肉の質のお話し
肉の質という話になると霜降り肉は有名ですよね〜。ロースやサーロインなどの背肉が霜降りになりやすいです。
霜降り肉というのは筋肉(筋繊維)の間に脂肪が網に目のように入った状態の肉のことで、その脂肪を「サシ」とよび、細かいほど上質とされています。肉の質は肉質等級(数字が大きいほど良い)で表されますが、霜降りが多いほど数字が小さくなります。
さて、この質は肉の美味しさの話ですが、健康という意味での筋肉の質はどのように決まるのでしょうか?
目次
2種類の筋肉の質
まず一つ目はよく知られている遅筋(赤筋)と速筋(白筋)です。遅筋は持久力のある筋肉、速筋は瞬発力のある筋肉で、遅筋はその性質から姿勢維持によく使われます。速筋は立ち上がったり急に方向を変えるなど素早い動きをするときによく使われます。
運動をしないとまず速筋が細くなり、瞬発的な動作や大きな力を発揮する能力が減ってきます。また、鍛えて太くなるのも主に速筋の方です。
もう一つの質は筋肉の密度(詰まり具合)です。筋肉は下の図のように細い筋繊維が集まって束になった構造になっています。
筋肉が衰えて筋繊維が細くなると筋繊維の束の間に隙間ができ、そこに水分や脂肪、結合組織などが詰まってきます。
そうなると、見た目は同じような太さでもハリのない筋肉となるわけですね。そしてこれが霜降り状態といえます。
筋肉の質で何が問題となるのか?
最近の調査で見た目の筋肉量があまり変わらないのに「階段がしんどい」「ちょっとした段差でつまづく」と訴える人が増えていることが判明しました。
今までは筋肉の太さが同じなら筋力は維持できており大丈夫と考えられてきたのですが、上記のような調査結果から、太さが同じでも筋肉の密度が低下し運動機能の低下につながるということがわかったわけです。
見た目が同じでも安心できないわけですね。どうやら健康的な筋肉という意味では霜降りは良くないようです(笑)
筋肉の質を保つには?
では、どうやって筋肉の質を保つかですが、これはもう運動しかありません。
先ほど速筋は太くなりやすい筋肉と書きましたが、逆に衰えたときに筋繊維が細くなりやすいのも速筋であり、筋繊維の間に隙間ができやすいといえます。ですので、速筋をしっかり鍛える運動をすることは筋肉の質を維持するという面でも大切になってきます。
ただ、筋肉にはサイズの原理というのがあって、負荷が小さいと遅筋しか使わず負荷が増えるに従って速筋を使うようになります。つまり、運動しても負荷が弱すぎると速筋を全く使わない運動となってしまうのです。
よく健康作りで推奨されるウォーキングは負荷が弱すぎて速筋にほとんど刺激が入りません。一番効果的に筋肉の質を高める運動は筋トレになります。
もちろん心肺機能を鍛えるという意味で有酸素運動としてのウォーキングも大切ですが、それに加えて週に2〜3回の筋トレを行うことが健康的で動ける体づくりでとても重要になってきます。
筋トレは何をすれば良い?
筋トレというとなぜか腹筋運動を真っ先に思い浮かべる人が多いのですが(苦笑)健康づくりでもっとも重視したいのは下半身の筋力です。
30代ぐらいまでは階段を積極的に使うことを意識すれば筋力はそれなりに維持できると思いますが、40代以上はしっかりスクワットをやりたいところです。
ベストなのはバーベルなどのフリーウェイトを使ったスクワットですが、運動不足で下半身が弱っている方や高齢の方は最初は自重でも十分です。
その中でもオススメなのが動作がゆっくりで安全なスロートレーニング(スロトレ)です。
スロトレにおけるスクワットのポイントは次のようになります。
- ゆっくり(約3秒)しゃがむ
- しゃがみきったときに力を抜かない
- ゆっくり(約3秒)立ち上がる
- 膝が伸びきる手前で止める(力を抜かない)
全行程で力をぬくところが無いのがミソで、正しくやると10回ぐらいでかなりキツくなります。
あと、スクワットはフォーム(重心位置や意識する関節)によって効く筋肉が変わってきます。
フォームについて話はじめると長くなるので詳しくは別の機会に書きたいと思いますが、次のポイントをさえることが大切になってきます。
- お尻を後ろに突き出してかかと寄りの重心を意識
- 膝ではなく股関節から動く
下の図も参考にしてください。
では、週に2〜3回でよいので、ぜひ実践して霜降りにならないように頑張ってみてください。
ちなみにスロトレに関する本はたくさん出ているのでもっと詳しく知りたい方は是非読んでみてください。
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