ブラザープリンタの廃インクパッド修理を自分でやる方法

長期間インクジェットプリンターを使っていると「廃インクパッド」が満杯になり印刷ができなくなるというトラブルが発生します。
基本はメーカー修理となるのですが、今回は自力でブラザーの複合機の廃インクパッドを洗浄して復帰させてみました。その時の様子をレポートしてみたいと思います。同様のトラブルで困っている方は参考にしてみてください。
トラブルの経緯
私はプリンター兼FAXとしてブラザーのMFC-J4510Nを4年ほど使っています。仕事で使っているので普通の家庭よりは使用量は多いと思います。
2〜3週間ぐらい前から印刷終了後に「もう少しで廃インクパッドが満杯になります」とうメッセージが表示されるようになりました。
そして、数日前にインク交換した直後から「廃インクパッドが満杯になりました」というメッセージに変わり印刷不能に。インク交換したばかりで使えなくなったというのは割とショックです(苦笑)
対処方法をネットで調べてみると、基本はメーカー修理。
気になる修理代はこの記事を書いた時点(2018年8月6日)では
- 修理代:14,000円
- 送料:2,500円
- 合計:16,500円
となっていました。
これって新品のプリンタが購入できる金額ですが、FAX機能付きならこの額では収まりません。
それなら修理を選びそうですが、ここ2〜3年はFAXを送受信した記憶はありません。買い換えるならもうFAX無しでもよさそうです。
そう考えると修理に出すのがバカバカしくなってきました。
ただ、交換したばかりのインクはモッタイナイ・・・
ネットでは廃インクパッドを自力で交換したりエラーをリセットしたという記事がチラホラ
どうせ使えないなら・・・
ということで、自力で分解して廃インクパッドの洗浄に挑戦してみることにしました。
廃インクパッドとは?
廃インクパッドというのは、
印刷時やヘッドのクリーニング時に出る余分なインクを吸収する部品
で、インクジェットプリンターには必ずあるそうです。
これの吸収量が満杯になるとエラーが出て印刷ができなくなります。これはブラザーだけでなくどのメーカーも同じ。
たまに自分で交換できるような機種もあるようですが、家庭用の低コストなプリンターではメーカー修理が普通です。
今まで何台もインクジェットプリンタはつかってきましたが、この問題に遭遇したのは今回が初めてでした。それだけこのプリンターをよく使っているということですかね・・・
廃インクが多くでるのは、ヘッドクリーニングや縁なし印刷の時になります。ブラザーのプリンタはヘッドの目詰まり防止のために頻繁にヘッドクリーニングしているので他のメーカーよりもこの問題にあう確率が高いかも知れません。
ブラザーの複合機の場合の対処法
ブラザーの複合機の場合の対処法はおおまかには次のようになります。
- 分解して廃インクパッドを洗浄or交換
- エラー解除のためにカウンターをリセット
注意するのは2番で、ただ単に廃インクパッドを掃除しただけではダメで、システム的にエラーを解除して上げる必要があります。
ブラザーのプリンタは印刷回数か何かを数えており、古い機種ではそれが規定回数以上になると印刷できなくなるという仕様だったそうです。ということは、廃インクパッドはそのままでもカウンターをリセットすれば強制的に使えたということですね。それはそれで使い続けたら恐ろしいことになりそうですが・・・
MFC-J4510の場合は廃インクパッドをモニターするセンサーがついています。そのためカウンターをリセットをしてもセンサーがOKにならない限りエラー解除されない仕組みになっています。最近の機種は全てそうなっている可能性が高そうです。
MFC-J4510Nの分解手順
では、いざ分解ですが必要な工具はドライバー1本です。分解はこの動画が参考になりました。機種はFAXなしで1世代新しいDCP-J4215Nですが、構造はほぼ同じです。
この方はヘッドを外すところまで分解していますが、廃インクパッドの洗浄が目的なら途中(1:45あたり)まででOKです。
- 上蓋を開ける
- 支持棒(薄緑のパーツ)を外す。少し捻ると外れますが、上蓋をすこし勢いよく開けても外れます。
- ハーネスのカバ(左側のプラスチックパーツ)を外す(これはツメで止まっているだけです)
これで上蓋は90°に開いた状態になります。 - アースのネジを外す
- コネクタを基盤から外す(フラットなものを含めて5本)
- ハーネスガイドを持ち上げる(このとき上蓋をしっかり持っておきましょう、そうしないと急に上蓋が外れるかも)
- 上蓋をは90°に開いた状態で水平方向(奥の方向)にスライドさせると外れます。
- 本体の上カバーを固定しているネジを全て外します(確か5本ぐらい)
- 本体上カバーを外します。インクタンク側のツメが固くて少し手間取りましたが、上手く撓ませたりしていると外れます。
- 廃インクパッドが見えます。
上記の4,5で抜くコネクタは下の写真のようになります。ご参考までに。
分解した直後の廃インクパッドの状態は下の写真になります。
廃インクパッドは一つのユニットになっていて、その中にある不織布のようなものがどす黒い紫色に染まっています。確かにもう満杯という感じですね。
このユニットは2本のチューブを抜くと本体から外すことができるのですが、このチューブが非常に固くて抜けにくかったので諦めました。ユニットが取れなくても中のパッドを外せば洗浄できます。
センサーの洗浄
廃インクパッドのユニットに付いている小さな基板がセンサーです。少しこじれば外れます。
上の写真のようにセンサー面にインクがべったり。
これをティッシュできれいに拭いてあげればOKです。
パッドの洗浄
廃インクパッドは上の写真のように全部で5枚入っています。
奥の大きなブロックは透明なフィルムが貼ってあり、その下に3枚重ねで入っています。手前のフィルムが無い方には2枚入っています。
フィルムはよく接着されていて剥がれません。仕方ないので上の写真のようにフチをカッターでカットしてパッドを取り出しました。
各パッドは全て形が違うので間違わないように注意しなければなりませんが、方向や順番が違うとセットできないようになっています(無理矢理ならできるかもしれませんがかなり違和感がでる)。
パッドはインクでベトベトなので周りを汚さないように注意が必用です。手もビニール手袋をしておいたほうが安心かと。
外したパッドを洗面所で水洗い。最初は「ホントにきれいになるのかな?」と思うほどベトベトですが、以外と水で流れていきます。
実際に洗ってみて感じたのですが、パッドを強く押さえつけたり捻ったりしない方がよいです。水で流しながら優しく洗いましょう。
絞るようにギュウギュウ洗うとペッタンコになり乾燥しても戻りがイマイチになります(1枚目の洗浄したパッドがそうなってしまいました)。
洗えたら完全に乾かします。真夏の屋外に干して5〜6時間ぐらいかかりました。
乾燥したら、順番と方向を間違えないようにユニットの中に組み込んでいきます。ちなみにユニットもかなりインクでベトベトなのでティッシュなどでよく拭きましょう。チューブが簡単に抜けるなら外して水洗いが一番早いと思います。
フィルムを再び上に被せて、カッターで切った部分に上からPPテープを貼って固定しました。
最後にセンサー基板をセットして完了です。
上の写真はフィルムを貼り直す前の状態です。見違えるほどきれいになりましたね。これでもう4年は持ってくれることを期待しています。
あとは、分解の時と逆の手順で組み立てていけはOK。
エラーのリセット方法
再組み立てが完了すると、後はカウンターのリセット作業です。
- ホームボタンを長押し
- 液晶に4行のリストが表示される(4行目は空白)
- 液晶の4行目の空白行を長押し
- 数字、英字、矢印がマス目上に並んだキーパッドのような画面が出てくる
これからはこのキーパッドを使って操作していく - *2864 と入力
- ポーという音とともに■Maintenance■と表示。
- 80 と入力するとキーパッドの上にプリンタシリアル番号が表示。
- キーパッド上部にある▲▼でシリアル番号が表示された部分の項目が変わっていく。
- PURGEが表示されたら 2783 と入力。
- ポーという音とともに■Maintenance■と表示。
もしこの時に「ソウチ カクニン46」と表示される場合、こちらのコメントの内容が解決策になるかもしれません。 - ▲▼を使って再度PURGEまでいき0になっていればエラー解除完了
- STOPボタンを一度押す←手順追加(2020/9/18)
- 99 を押してプリンタを再起動させれば終了
あとはテストプリントして問題なく印刷できることを確認して完了です。
まとめ
以上で無事に印刷できるようになりました。実際に作業してみた感想として
- 分解は意外と簡単。
- 洗浄したパッドの乾燥に時間がかかる
- エラーのリセット作業も落ちついてやればそんなに難しくない
という感じですね。
修理代から考えると買い換える方が現実的なので、どうせ捨てるならダメ元で廃インクパッドの洗浄に挑戦するのも悪くない選択肢だと思います。
プリンタが動かなくなったりインクで部屋や服が汚れる等、この作業を行うにあたって起こったあらゆる損害に対して私もメーカーも一切責任は負いません。自己責任でお願いいたします。
参考になりました。
洗浄してきれいになりましたが
「エラーのリセット方法」
1.ホームボタンを長押し
2.液晶に4行のリストが表示される(4行目は空白)
3.液晶の4行目の空白行を長押し
4.数字、英字、矢印がマス目上に並んだキーパッドのような画面が出てくる
これからはこのキーパッドを使って操作していく
5.*2864 と入力
ここまでは、ご指示の通りの表記でしたが・・・
6.ポーという音とともに■Maintenance■と表示。がでない。
→「ソウチ カクニン46」と出ました。
(´Д⊂グスン
>みーくん さん
あらま、そんなエラーが…
組み立てしたときにコネクタの差し込みが甘かったり基板を傷つけたりしてませんか?
無事に解決したのか気になります。
お世話になります。
当方brother複合機MFC-J6580を使用しています。
廃インク満タンのサインが出てしまいました。
既に廃インクパットは洗浄済みですが、エラー解除ができません。
ネットで検索の結果、カウンターリセット作業の流れについて
1.ホームボタンを長押し
2.液晶に4行のリストが表示される(4行目は空白)
3.液晶の4行目の空白行を長押し
4.数字、英字、矢印がマス目上に並んだキーパッドのような画面が出てくる
5.これからはこのキーパッドを使って操作していく
*2864 と入力 ポーという音とともに■Maintenance■と表示。
6.80 と入力するとキーパッドの上にプリンタシリアル番号が表示。
7.キーパッド上部にある▲▼でシリアル番号が表示された部分の項目が変わ
っていく。
8.PURGEが表示されたら 2783 と入力。
ポーという音とともに■Maintenance■と表示。
9.▲▼を使って再度PURGEまでいき0になっていればエラー解除完了
10. 99 を押してプリンタを再起動させれば終了
※*2864とは何の数字ですか?
80とは何の数字ですか?
また、2783とは何の数字ですか?
そして最後の99とは何の数字ですか?
※機種によって上記の数字が違うのでしょうか?
上記の3つの数字の意味が分かれば、再度解除作業を行いたいと思います。
宜しくお願いいたします。
>田宮さん
これらの数字はメンテナンスモードで使うコマンドです。
ブラザーの場合カウンターのリセットは全機種同じの可能性が高いです。
https://all.rentafree.info/entry/902296
問題はメンテナンスモードに入れるかどうかではないでしょうか?
つまり*2864とかホーム長押しといった部分が機種毎に違うかもしれません。
機種名+メンテナンスモードで日本語や英語で検索すればそれらしい情報がでてこないですかね?
ご回答ありがとうございます。
再度チャレンジしてみます。
DCP-J4210Nで、洗浄とエラー解除を実行しました。センサーの汚れも拭きました。
再起動後、メッセージは、変わらず「まもなく、廃インク吸収パッドが満杯」が出ます。
「まもなく~」ではなく、満杯になってからでないと、この操作はダメでしょうか?
>鶴見さん
エラー解除の操作は「満杯になったエラーを解除する」手順です。
エラーの種類が違えば解除方法も違うかもしれません。
エラー解除についてはあそこに書いてある以上の情報を私も知らないでそれ以上は何とも言えないです。
ありがとうございます。満杯になったら、試してみます。
廃パッド満杯のエラーメッセージが出たため、ご紹介の手順を進め、PURGEのところが0000と出るところまで行きました。機種はJ4210Nです。
ところがその後、99でメンテナンスモードを抜け、プリンターが再起動すると、今度は「まもなく廃インク吸収パッド満杯」のメッセージが表示されます。
中のパッドをきれいにしたのは確かで、また「まもなく…」メッセージなので、✖️でメッセージを閉じるとコピーや印刷ができる状態にはなります。
が、その「まもなく…」メッセージを消せるとすっきりしますし、いつまた「満杯」メッセージになって使えなくなるのかがわからないのが気になっています。
その辺、何かご存知でしょうか?
上の鶴見さんのコメントも気になりますが、もしかすると、「まもなく」メッセージを消すのは別の操作が必要なのかもしれないですね…
>吉田さん
「まもなく満杯」ということは、センサーが誤作動しているようなきもしますが、センサーはキレイに洗浄しましたか??
そのあたりもOKなら原因はちょっとわからないです…
ありがとう! 古いプリンターだけど、残りのインクを使い切るまでは捨てたくないですね。助かりました!!!
>だん さん
そう、使い切るまでは捨てたくないですよね。
お役に立ててよ勝手です!
”まもなく廃インクパッド満杯”の表示 →洗浄前試しに”maintenance”リセット →分解してパッドの洗浄 →再度リセット試すが”maintenance”表示せず →”まもなく廃インクパッド満杯”の表示が出るがプリントは可能 →約2ヶ月後”廃インクパッド満杯です”表示 →再度リセット試したところ”maintenance”が表示されリセット可・再起動……以上です。
MFC-J4510Nは修理対応終了してるので、自分で洗浄とリセットするしかないですね。このページがとても参考になりました。ありがとうございます。
>hideyan さん
その流れからすると”廃インクパッド満杯です”が出るのはセンサーの値ではなく、”まもなく廃インクパッド満杯”が出てからの印刷回数で判断しているような感じですね。
貴重な情報ありがとうございました。
無事解除できました!
MFC-J4910CDWですが、手順通りに操作し無事に復活いたしました。
非常に困っていたので大変助かりました。
院長先生に感謝です。ありがとうございました。
以下どなたかの参考までに。
再組立て後、電源を再投入した際に”電源を切ります”動作に入りますが、
即座にホームボタンを押すこと。
一度電源が切れてしまうと(多分)24時間は電源の再投入はできません。
・・・これで数日かかりました。
あと、カウンターリセット作業の
手順10. 99 を押してプリンタを再起動させれば終了
の前にはSTOPボタンを一度押さないと99の入力ができません。
どなたかのお役に立ちますように!
>YUKI さん
無事に復活して良かったです。
手順10の部分、修正しておきました。
情報ありがとうございます。
おかげさまでクリーニング&解除でき助かっています。
MFC-J4910CDWですが、今後のみなさんのために、記録を。
インク満タンになる前に、分解クリーニングしましたが、
解除手続き時、7の「80」入力後、「Maintenance NG」が表示されました。
が、「>>」を押して「▲」を押すと、普通に項目選択可能で、
以降、「PURGE」を選び、手順通りリセットできました。
しかし、「もうすぐインク満タン」表示は消えず、数回ヘッドクリーニングすると、とうとう「満タン」警告が出ました。
そこから、再度の解除手続き。同じく7の「80」入力後、今度は「ソウサカクニン 46」が表示され、同じく、「>>」を押して「▲」で「PURGE」まで行き、「2783」入力後に「STOP]、「99」入力で再起動。
これで、完全解除できました。本当にありがとうございました!
> shinさん
無事に解除できたようでよかったです。
ヘッドクリーニングで満タンに変わるのは新しい情報ですね!
困っている人にも参考になるかもしれません。
ありがとうございます。
みーくんさんの
ソウチカクニン46と出た場合、
そのままの表示のままで電源プラグを抜いて
️ホームボタンを押したまま電源プラグを入れると
いつもの画面表示となり、後は️ホームボタン長押しで 解除の手順に進めました‼️
>チバリョーさん
そういう手がありましたか!
貴重な情報ありがとうございます!
Thank you!!1
DCP-J4210Nを使用していますが参考にエラーを解除することができました。
私が試みた際に「ソウチ カクニン46」が発生してしまい、コメントの手順を試してみたのですが何度やっても解除されませんでした。
しかし、無視して手順の通りやっていったところ無事に印刷が可能になりました。
*2864を入力した時、PURGE表示の時に2783と入力した時に「ソウチ カクニン46」が表示されましいたが確認したところPURGEの数字は0になっていました。
(■Maintenance■は表示されませんが同様に動かすことができました。)
無視して作業後、再度ホーム長押し・・・からこのメニューに入るとエラーは表示されず■Maintenance■が正常に表示されるようになりましたので「ソウチ カクニン46」は無視して作業しても良さそうです。
あと、■Maintenance■にて80入力後は▲▼ではなくMono StartとColor Startでも項目を選べるようなので≫≪でページを変えなくてもいけるようです。
8年強ほど使っているプリンターですが使用頻度は高くなく、でもないと困る代物だったので新しいものを買わなければ・・・と悩んでしましたがこちらの記事を参考にまた使えるようになりました。
ありがとうございました。
>Kairi さん
無視しても大丈夫でしたか。
それはよかったです。上手く行かなかった人にも参考になりそうですね。