椎間板ヘルニアの手術の是非
腰痛をお持ちの方なら椎間板ヘルニアという言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。
これは椎間板の中央にあるゼリー状の「髄核」が、椎間板の繊維輪とよばる部分の裂け目から外に飛び出した状態のことをいいます。
そしてこの飛びだした髄核が近くの神経を圧迫して坐骨神経痛などの腰から足にかけての痛みを引き起こすと言われています。
でも、椎間板ヘルニアが腰痛や坐骨神経痛の原因であるという科学的根拠は乏しいというのが現実です。
いくつか例を挙げてみましょう。
- ヘルニアになっていても症状が出ない人が大勢いる
健常者でもCTやMRIをとると20〜30%の人に椎間板ヘルニアが確認できるそうです。 - 手術をしてもしなくても結果に差はない
手術患者と保存的治療患者を長期追跡調査した研究では短期的には手術した方がよかったのですが4年経つと差が無くなり、10年後には誤差範囲のレベルですが逆転しているという結果が出ているそうです。
つまり手術しても保存的治療だけでも4年後の結果は差がない可能性が高いということです。 - 手術を受けても症状が改善されない・再発する
患者さんでもこういう人はよくいますし、上と同じ調査報告では13%は手術後の経過が思わしくないという結果が出ているそうです。
ですので手術はよほどヘルニアの程度がひどくどうしようもない場合の最後の手段ぐらいに考えておいた方が良さそうです。
そもそも手術という手段は「何故椎間板ヘルニアになったのか?」という一番重要で根本的な原因がまったく考慮されていません。原因が分からないなら再発するのも当然ですよね。
また、自然治癒力にも限度があって削除された椎間板は完全に元には戻りません。
年を重ねたときにどんな影響が出てくるか分からないです。
特に椎間板は放っておいても年齢と共に水分が減少し薄くなっていきますから…
それよりも日頃の姿勢不良による椎間板や腰周辺の筋肉への負担をとってあげる事がなによりも体に優しく効果的ですよ。
椎間板に負担がかかり自然治癒力のカバーできる限度を超えるからヘルニアになる
↓
負担がかかるのは解剖学的に無理のある姿勢を長時間続けるから
↓
姿勢を変えていけば自然治癒力でカバーできる範囲の負担になる
と考えられるからです。
手術の前にまずは自分の日頃の姿勢と生活習慣を見直しましょう!
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