親指はなぜ太いのか?
この半年ほど、ダイエットについて自分なりに研究していて、ほとんどの時間をインプットに費やしていました。
これがブログの更新もおぼつかなくなった言い訳です(笑)
無理なく健康的にダイエットする、体型をコントロールするためには、
食べたものがどのように体の材料になったりエネルギーになるのか?
を深く理解する必要があるわけですが・・・
そのメカニズムは複雑でわからないことだらけというの現実です。
たくさんの研究結果がありますが、矛盾するものもあれば前提条件が「あれ?」というものあり本当に混沌としています。
ただ、調べれば調べるほどダイエット業界や健康食品業界、厚生労働省や医者の主張する「常識」というのは、正しい保証がどこにもないということはわかってきました(笑)
そういう情報や考え方をこれからアウトプットしていきたいですが、その場はこのブログではなく別の場所にするかもしれません。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなダイエットの情報を集めているときに、糖質制限を推進する権威の方が絶賛する本がありました。
それがブログのタイトルにもある島泰三氏による「親指はなぜ太いのか?」です。
普段、僕たちは自分の親指が特殊だなんて気になりませんよね。生まれたときからあたりまですから。
ところが人間に近い種であるチンパンジーやサルとくらべると親指が例外的に太く発達しているそうです。
ではなぜ太く進化したのか?その謎を追うことで
- 人間の主食は何か?
- 人間がなぜ二足歩行するようになったのか?
ということを解明していく内容になっています。
まずは、アイアイの特殊な指の形や歯・アゴの構造は「主食に最適化されたものである」と気づいたことからこの本は始まります。
そして多くのサルたちの食べ物と手・歯の形状を丹念に調べて
「主食は、霊長類の種の口と手の形を決定する」という「口と手連合仮説」というアイデアを提示します。
そしてそれを人間に適用することで導かれる初期人類の主食は・・・
なんと「骨」です。
これだけ聞くとトンデモ理論ですよね(笑)
ところが、この主張には論理的破綻がないところが面白いところです。
例えば骨に栄養があるのかという話ですが、これは骨の構造を知っていればすぐ納得できることです。骨は内部に血液をつくる骨髄があります。そしてこの骨髄は栄養価が高い「食べ物」になりえます。
また硬い骨の中身をどうやって取り出すかですが、それには石を使います。石をしっかり握るために親指が発達したというわけです。
他にも、固いものをすり潰すことに適した人間の歯やアゴの構造など、骨を食べることを肯定できる要素が沢山あります。
さらにここから二足歩行になる理由まで導きだしていくのですが、気になる人は是非本を読んでみてください。
知的好奇心をとても満足させてくれる内容です。
ただ、前半はひたすらサルの生態の解説になり、聞いたこともないサルの名前(読みにくいカタカナばかり)が並ぶので、正直読むのがしんどいです。
後半は人類の主食は何かという疑問に答えていくので面白くなってきますが、前半の知識があってこそ楽しめる内容です。なので頑張って最初から読む必要があるかなと思います。
かなり受け入れがたい説なので、本の結論を信じるかどうかはあなた次第です(笑)が、それとは別にもう一つ大切なことをこの本から学ぶことができます。
それは偏見や思い込みを排除して目の前にある現実を論理的に分析するということの大切さです。
僕が設計の仕事をしているとき、トラブル発生時には三現主義といって現場・現物・現実を重視しろとよく言われました。
島氏は他の学者の説を鵜呑みにせず、自分の目で確かめるということに徹底的にこだわっています。そして実際に見たことから論理的に考える、というプロセスを厳守しているんですね。これってまさに三元主義ですね。
言葉で書くと簡単ですが、このプレセスを実行することはとても大変。
でも、この本を読むことで、三元主義を実行することでこうも色々な世界が見えてくるのか!ということを実感できると思います。そいういう意味でもオススメです。
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