痛みとは何か? その8 腰痛や肩こりは下痢や鼻炎と同じ!
痛みとは何か?シリーズも書いていくうちに話がドンドン長くなって8回目になりました。
痛みのメカニズムについて少しは理解が深まったでしょうか?
こここでは締めくくりとして腰痛や肩こりに対する新しい認識についてお話ししたいと思います。
恐らくほとんどの人(医者も含めて)は腰痛や膝、首の痛み、痺れなどがでるとまず骨に問題が無いかを疑います。
例えばMRIでヘルニアが見つかればそれが腰痛の原因とされるわけですが、ヘルニアがなくても腰痛の人はいるし、ヘルニアがあっても腰痛でない人もいます。さらに、そういう人の数は単純に例外と片付けられるほど少なくはありません。それは腰痛学会が「腰痛の85%は原因不明」と言っていることからも明らかです。
ヘルニアが原因と確実に断定できる腰痛は多くても15%以下ということになります。
そうすると、
「ヘルニア=腰痛の原因」
と判断するのは明らかにおかしいいですね。原因不明の比率から考えると、ヘルニアが原因と単純に考えることの方が危険だともいえるでしょう。
一連のブログ記事で、ずっと痛みのメカニズムを説明してきましたがここには骨の変形や軟骨のすり減ったという話は全く出てこなかったですよね。
MRIやレントゲンなど目で見て分かる損傷があってもなくても、条件が揃えば脳は痛みを感じるのです。そしてそのメカニズムは生理的なものです。
生理的な現象というと何を思い浮かべますか?
便秘や下痢、高血圧や花粉症、そういったものが生理的に起こるトラブルの例です。そしてこれらは何らかのストレス(精神的なものだけでなく、腐ったモノを食べるとか花粉を沢山吸い込むといったことも広い意味でストレスです)に対する体の反応として起こります。
- 胃や腸なら腹痛、下痢、便秘
- 肺や心臓などの循環器系なら高血圧や咳、鼻炎
- 皮膚だったらアトピーやじんましん
では、筋肉だったら・・・
腰痛、肩こり、膝の痛み、顎の痛み…etc
が起こるのです。
体はストレスを受けるとさまざまな反応をします。そしてどれが何処に出るかはまさにその人次第。僕自身はその人の弱い部分や一番酷使して疲れている部分などに最初にでるのではないかと考えています。
このようなストレス反応の一種として痛みがでているのですから、ヘルニアだとか、軟骨が減っていると言われたからといって絶望することも無いですし、手術に踏みきる前にできることは山ほどあります。
僕自身も食べ物を買えたり、体の使い方をすこし変えたり、姿勢を少し変えるだけで体にかかるストレスが減り、症状が改善する方向にむかうことという例をたくさん見てきました。
整体ではよく「歪みをなおせばなおる」と言いますが、本当は順番が逆で「なぜ歪みが発生したのか?」と考えながらその元を辿っていくことで、いつのまにか歪みがなおってるし症状も改善されている…というのが本来の姿なんだろうなと思います。
現場では、ここまでクドクド説明するのは大変だし時間もかかります。ですので直感的に納得しやすい「体が歪んでいるのがダメなんです」というフレーズを僕もよく使います(苦笑)
ただ、裏側では「なぜゆがんだのか?」という問いに対する答えを、生活習慣やストレスの状況を問診で訪ねながら考えてアドバイス内容や施術内容を組み立てています。
お、ちょっと話がずれましたね。
まとめとしては、痛みは生理的な現象なのでそれを解決するためには体にどんなストレスがかかっているのかを見極めることで大切である、ということが言えると思います。
このことが分かっていると痛みともう少し楽につきあえるようになると思いますよ。
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