痛みとは何か? その6 痛みの負のスパイラル
前回までの記事では
- 痛みは発痛物質の分泌により知覚される
- その発痛物質が分泌される原因は局所的な酸素欠乏
- 酸素欠乏の原因には物理的な面と心理的な面の2つある
ということを説明してきました。
実は酸素欠乏の原因にはもう一つあります。それが脳や脊髄からのおかしな指令です。
脳は痛みの信号を受け取ると痛みを感じるだけで無く、その痛みに反応して勝手に命令を出して血管を収縮させることがあります。
また、脊髄も痛みに対して脊髄反射をおこし筋肉を痙攣(スパズムとよびます)させることによって血流を阻害させることがあります。
この働きによって局所的な酸欠が発生し発痛物質が分泌されることになります。
このようにタンスの角に指をぶつけたといった物理的なケガや、ストレスによる緊張によって発生した痛みがきっかけとなり、脳や脊髄の意図しない反応によって新たな痛みが生み出されるという負のスパイラルが始まります。
この負のスパイラルがくり返されることによって脳にその痛みの情報が刷り込まれていきます。
そうするとちょっとした刺激やストレスにも反応して痛みを感じるようになります。
これがいわゆる慢性痛とよばれる状態です。
今までの説明からわかると思いますが、こうなると単純に痛いところが悪いという状態ではないということがわかると思います。
次回なこの慢性痛についてもう少し詳しくみていきます。
コメント
この記事へのコメントはありません。
コメントをどうぞ