痛みとは何か? その5 刺激が無くても痛い!?
前回は電気信号として伝わる痛み、「感覚」としての痛みの仕組みについて説明しました。
今回は「意識」がかかわる痛みの例をお話ししてきたいと思います。
現代社会は残念ながらこれでもかというぐらいストレスで一杯です。
- 言うことを聞かない部下
- 理不尽な仕事を押しつける上司
- 嫁姑問題
- 先行き不安定な社会情勢
数え上げれば切りがありません(苦笑)
そいういストレスが高い状態が続くと、自律神経というからだの生命維持装置の役割をしている神経に大きな影響を及ぼします。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類あります。
交感神経はアクセルで副交感神経はブレーキに例えられることが多いのですが、闘ったり逃げたりと頑張るときには交感神経が優位になり、のんびりゴロゴロしている時には副交感神経が優位になります。
ストレスが高い状態は、石器時代でいえば猛獣と出くわした時のようなものです。闘うにせよ逃げるにせよ体は全力で頑張らなければなりません。そこで交感神経が優位になり、心拍数を上げたり内臓への血流を減らしたりして、そういう行動に向いた体の状態にしていきます。
ところが、現代人はそう時も闘ったり逃げたりできないですよね。グッと我慢・・・というのがほとんどだと思います。
さらに、猛獣に出くわすというのは非常に短時間なストレスですよね。
ところが現代人は朝から晩までずっとストレスに晒されます。朝から晩まで猛獣に出くわしっぱなしみたいなものです(笑)
そりゃぁ、からだの調子もおかしくなりますよね。体はそんな状況に対処するように進化してこなかったわけですから。
さて、自律神経の話が長くなりましたが交感神経が緊張すると血管が収縮し血流が悪くなります。この状態は前回お話ししたケガをした時の状態と同じですよね。周辺の細胞が酸欠になります。
そうすると…
もうおわかりですよね、「発痛物質」が出てくるわけです!
そして、それが痛みセンサーを刺激して痛みの電気信号を発生させるのです。
ですから物理的な刺激が加わらなくても痛みは発生するものなわけです。残念ですがこのような痛みの原因はレントゲンやMRIなどの画像診断では絶対に見えません。
ただし、姿勢の変化や筋肉の張りなど骨以外にフォーカスするとある程度見えてきます。
このように、「感覚」としての痛みの原因は物理的なものと心理的なものに分けられますが、これが脳の働きを結びつくとさらにやっかいな慢性痛につながっていきます。
その事については次回に!
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