痛みとは何か? その4 痛みが発生する仕組み
先日、嫁の姉が暗い場所で裸足でダンボール箱の角に足の小指をぶつけたそうです。
それだけなら「ぶつけて痛かったね」というだけの話なのですが、お義姉さんはその後なんと飲み会に行ってしまいました。
お酒を飲んでいる間もずっと足が痛い痛かったらしいですが、帰ってきて小指を見るとパンパンに腫れ上がって驚いたそうです。
これだけ腫れ上がったのはお酒が原因。アルコールは血管の拡張・心拍数の増加・血液凝固系の抑制(血が止まりにくくなる)といった作用があります。お義姉さんの場合、わずかな出血で済むはずだったケガがお酒によって大量の出血&腫れにつながってしまったようです。ケガをした時にアルコールは厳禁ですよ!
さて、ここから本題です。
先ほどのお義姉さんの例のように何かの角に足の指をぶつけた場合、まず瞬間的に「痛っ!」と感じます。
これは外部からの刺激がダイレクトに受容器(痛みセンサー)を刺激して信号を送った状態となります。こちらは瞬間的に痛いだけなですしそんなに複雑なメカニズムでも無いです。そもそも一瞬で終わる話なので大して問題にはなりませんね。
問題はその後にやってくる「じ〜ん」とか「ズキズキ」とした痛みです。
これは先ほどよりももっと複雑なメカニズムになります。そして、多くの人が悩む痛みはこちらです。
この痛みの原因は「発痛物質」とよばれるものが原因です。逆にいうと、この「発痛物質」がなければ痛みを感じないのです!
発痛物質には
- ブラジキニン
- プロスタグランジン
- セロトニン
- ATP
などがあります。
例えば、ケガをしたりして外部から刺激が加わると周囲の血管が収縮し血流が悪くなります。そうすると周りの細胞は酸欠になりますね。
酸欠は細胞にとって危機的状態で、これに反応して血液の血漿成分からブラキジニンがでてきます。
このブラジキニンが知覚神経の先端にある痛みセンサー(ポリモーダル侵害受容器と呼ばれます)に触れると電気信号が発生します。それが神経を伝って脳は「痛み」と判断します。
だいぶ大雑把な説明ですが、これが電気信号として送られる痛みのメカニズムです。
この説明からわかるように、痛みの電気信号は痛みセンサーでのみ発生します。神経はテレビとアンテナをつなぐつなぐケーブルと同じで信号を送る役割しかしません。ですから神経が多少圧迫されてもそれが痛みになるということは理論的にあり得ないのです。
だからヘルニアで痛みがでるというのはかなり怪しい説になるわけですね。
ちなみに、この電気信号は外部からの刺激以外でも発生することがあるのです。次回はそこを説明していきますね。
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