痛みとは何か?その1ヘルニアは痛みの原因?
痛みやしびれって何故起こるのでしょうか?
ここでは何回かに分けて痛みの仕組みについてお話ししていきたいと思います。
世間でよく言われている話とはだいぶ違うと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、偏見を捨てて読んで頂ければと思います。
今回は最初のお話しとして腰痛や首・腕のしびれの原因といわれるヘルニアについて考えてみたいと思います。
ヘルニアというのは本来は「飛び出る」という意味で、腰痛などの場合には正確には「椎間板ヘルニア」になります。
椎間板というのは背骨の骨と骨の間にあるゼリー状の組織のことです。
「椎間板が何らかの原因で飛び出し、背骨を通る神経に触ることで痛みがでる」
というのがヘルニア腰痛説です。
整形外科はもちろんテレビも本も多くの整体師もこういう説明をします。
しかし、実はこの話には大きな問題があります。ちょっと調べるとわかりますが
- 痛みがない人でもヘルニアがある
- 痛みがあってもヘルニアがあるとは限らない
- ヘルニアの手術をしてもよくならない例がある
- 手術しなくても治ることがある
という話はたくさんあります。
「ヘルニア=痛み」
ならばこのような話はでてこないはずですよね。
そもそもヘルニア腰痛説には「神経は圧迫されると痛む」という前提があります。
ところがが実は「神経は痛みを感じない」のです。
あくまで神経は信号の通路です。
痛みを感じるのは知覚神経の先端にある「ポリモーダル侵害受容器」と呼ばれる部分のみです。
このポリモーダル侵害受容器はいわば痛み感知器のようなもので、神経は電線、警報機が脳と考えると理解しやすいのではないでしょうか?
痛み感知器が感知した痛みは電気信号となって神経を通り警報機である脳に伝わります。そして脳がその信号を痛みと解釈してはじめて「痛い」と認識するのです。
ポイントは信号が電気信号だということです。
例えばパソコンのマウスのコードを曲げたり押さえつけたりしてマウスの動きがおかしくなりますか?
ならないはずです。
もちろん潰れるほど押しつぶせばだめですが、実際の神経も押しつぶされるぐらいまで圧迫を受けると本当に神経障害がでてきます。
しかし腰痛や腕のしびれの原因として神経の圧迫と説明されるケースでは、そこまで強烈に圧迫を受けていることはまれです。
というか、そこまで神経にダメージがあると熱いとか冷たいとかがわからない感覚麻痺がでてきます。
このように「神経が圧迫されているから痛みが出る」というもっともらしい説は本当はおかしい部分が沢山あるのです。
また、ここでお話しした「神経は痛みを感じない」という事実は、最新の研究成果ではありません。生理学者の間では昔からわかっていることなんですね。
このように痛みが神経の圧迫と痛みの相関関係はあまり強くなさそうだということがわかったでしょうか?
次は神経の圧迫や骨の変形といった刺激が無くても痛みが生じるという驚きの話について書きますね。
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