自律神経と免疫力の関係
ひさしぶりに自律神経の話題です。
今回は免疫力と自律神経の関係を説明したいと思います。
たとえばすぐに風邪をひく人とそうでない人がいます。
「バカは風邪ひかない」
なんて言葉もありますが、医学的には免疫力が高いか低いかの差であってバカかどうかは関係ありません。
しかし、免疫力と自律神経が深い関わりがあるとすると・・・
あれこれ思い悩んでストレスをためて自律神経を乱してしまう人より、脳天気でストレスを感じず自律神経のバランスがよい人のほうが免疫力が高くなる=風邪をひきにくい、なんてことも言えるかもしれません。
そういう意味では、「バカは風邪ひかない」というの真実かもしれませんね。あれこれ考えすぎてよいことはありません、多分・・・
ではここからが本題。
どういうメカニズムで自律神経と免疫力が関係するのかを見ていきましょう。
体がもっている免疫システムというと、その主役は血液中の白血球です。
白血球には顆粒球(細菌など大きめの異物を処理)とリンパ球(ウィルスなど小さめの異物を処理)の2種類があります。
そして、ここが大切なポイントですが
- 交感神経が優位になると顆粒球が増える
- 副交感神経が優位になるとリンパ球が増える
ということが分かっています。
つまり、自律神経のバランスが狂うと白血球の構成割合が変化してしまうわけです。
では、具体的にどうなるかを見てみましょう。
- 交感神経が優位→顆粒球が増える→細菌などに対して強くなる→感染症に強くなる
- 副交感神経が優位→リンパ球が増える→抗原に対する反応が早くなる→ウィルスに感染しにくくなる
とまぁ、どちらに転んで基本的には免疫力が高くなります。
ただ、これも程度問題。
顆粒球が増えすぎると健康維持に必要な細菌まで殺してしまい、逆に免疫力を下げることになります。
さらにやっかいなのは、過剰な顆粒球が死ぬ時。
顆粒球は細菌と闘う武器として活性酸素をもっているのですが、死ぬ時にその活性酸素を放出してしまいます。
そしてその活性酸素が周囲の細胞を傷つけてしまうのです。細菌をやっつけるための武器が自分を攻撃するようなものですね。
ではリンパ球の方はどうかというと、やはり問題が起こります。
リンパ球が増えすぎると抗原に敏感になるのでアレルギーが起こりやすくなるのです。
顆粒球が増えるよりはましな気がしますが、体が不調になるのは確かですね。
このように、免疫力が適切なバランスを保つためには自律神経のバランスがとても重要になってきます。
幸いなことに自律神経の変化と免疫系の変化には時間差があるそうなので、たまに強いストレスを受けるぐらいでは免疫系に影響は出ないようです。
逆に、風邪をすぐひくようになったら継続的にストレスを受け続けている証拠にもなりますね。ウィルスに弱くなっているので交感神経が優位になってそうです。
そうなったら、風邪薬を飲むよりもまず自律神経を整えることにフォーカスすべきかもしれませんね。
あなたは大丈夫ですか?
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