在宅酸素療法を酸素濃縮器にするか液体酸素にするか?
以前の記事で書いた通り、娘は次の手術まで(状態によっては手術後半年ぐらい)は在宅酸素療法(HOTと呼ばれる)を行うことになりました。
24時間ずっと酸素を供給する必要があるのですが、その方法には大きく分けて下記の2つがあります。
- 酸素濃縮器+ボンベ
- 液体酸素
で、どちらにするかですが双方にメリット・デメリットがあり我が家でもいろいろと検討しました。
その内容をご紹介します。乳児に在宅酸素療法が必要な方は参考にしてみてください。
目次
カタログ的なメリット・デメリット
供給できる酸素濃度などにも差がありますが、娘の場合は流量も少なく酸素濃度にもそれほどシビアになる必要がありません。
ですので今回は使い勝手という面に絞って比較検討をしました。ネットで調べた上をまとめると概ね下の表のようになります。
メリット | デメリット | |
酸素濃縮器+ボンベ | 操作が簡単 ボンベは長期間保存できる |
電気代がかかる ボンベは交換が必要 外出の時に大きなボンベを運ぶ必要がある |
液体酸素 | 電気代がかからない 子機が小型軽量 |
定期的に設置型容器の交換が必要 設置型容器は重たく大きい 子機への充填作業が難しい |
これに加えて我が家の場合は嫁さんが実家でパン教室をやっており、その時は娘も連れて行きます。ですので週に2〜3回は長時間実家にいることになります。
最初は液体酸素に好印象
入院していた病院では酸素濃縮器+ボンベを選ぶ人がほとんどだと聞いていたのですが、
- 酸素濃縮器を2台借りることは難しい
- 酸素ボンベの持続時間が6時間ぐらい
という条件が厳しいと感じていました。また、ネットで調べると電気代も月に数千円かかると書いてありそれも気になっていました。
それと、病院内では酸素ボンベを使っていたのですが、それが鉄製でとても重たく取扱が大変という印象があり、これを実家へ行くたびに運ぶのは大変だとも考えていました。
一方で液体酸素の場合は
- 子機満タンで10時間もつ
- 電気代がかからない
という点で魅力を感じており、最初は液体酸素でいくつもりで業者さんと打ち合わせを行いました。
ところが、実物を見せてもらい実際の使い勝手をいろいろ聞いてい見ると様々なデメリットが浮かび上がってきました…
現物を見てわかったメリット・デメリット
液体酸素の機械を実際にさわり説明を聞くことで、「あれ?思ってたのと違うな…」と感じることがたくさん出てきました。
- 子機への充填作業がとても難しい
現物は嫁さんしか触っていないのですが、親機と子機の連結がとてもやりにくいということでした。
確かにマニュアルを見ても微妙な位置決めを手でやる必要があるらしく面倒そうで、それを改善するために棒みたいな治具を使って固定するのですがそれも微妙な感じ。
また、酸素が漏れて凍り付くと10分位待つ必要がある、安全のためには革手袋が必要、など装置としての完成度に疑問符がつきました。 - 子機への充填はでかける直前に行う必要がある
子機は満タンにしても時間が経つと酸素が抜けていくので、出かける前の日に充填しておくといったことができません。
子供連れで出かけたことがある方はわかると思いますが、子供の状況次第で時間が読めないことが多いのでこの仕様はよろしくないです。特にパン教室のある朝は時間との戦いななので… - 親機はとても大きく玄関にしか設置できない。
非常に大きな装置で動かすのが大変な上に、定期的な交換も必要なので玄関ぐらいにしかおけません。2階に置くなどは不可能だそうです。
ウチは玄関が広いので設置自体は不可能ではないですが微妙な感じです。 - 子機のチューブの長さを長くできない
子機は身につけることが前提でチューブの長さもそれにあった長さのものしか選べない仕様になっています。
大人の場合はそれが便利なのですが、乳児に1.6kgの子機を背負わせることは不可能です。子機を使う時は子機を持つ大人がつねにそばにいないと行動範囲がとても狭くなってしまいます。 - 酸素ボンベと併用は不可能
これは今回打ち合わせした業者だけかもしれませんが、液体酸素にした場合は酸素ボンベは提供してもらえません。
ですので子機がもつ時間以上の外出は事実上不可能になります。
結局、酸素濃縮器に
液体酸素が微妙に感じはじめてきた一方で、酸素濃縮器+ボンベの方は現状を聞くと
- FRP製のボンベはとても軽くハンドリングがよい(一番小さいものは1.5kg!)
- 娘の流量では大きなボンベを使えばパン教室をやっている間は十分に持つ
- 酸素濃縮器の電気代は月500円ぐらい
といったことがわかり、扱いの手軽さから最終的に酸素濃縮器+ボンベを選択しました。
今は嫁さんの実家に大きなボンベを数本設置、自宅は酸素濃縮器というスタイルで問題なく過ごせています。我が家のライフスタイルではこちらがよかったかなと考えています。
ちなみに液体酸素にダメ出しをしていますが、大人が使う場合はメリットが大きいと思います。特に子機が小型なので家にいるときも子機を使うことで、本体からチューブを引っぱる煩わしさから解放されるのが魅力的です。
実際、チューブを引きずりながらの生活はなかなか面倒で、よくチューブが引っかかって娘がそれ以上動けなくなりバタバタしていたりしますので…
まとめると、実際のライフスタイルと相談して決めることになると思いますが、乳幼児で液体酸素の子機を自分で持てない場合は酸素濃縮器+ボンベがベターかなと思います。
もし乳児で酸素療法を検討されている方は参考にしてみてください。
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