鍋を洗いすぎで肩が痛くなる?
今日、肩の痛みで来院された患者さんの症例が興味深かったので書いておきます。
症状は、右腕をバンザイすると肩から腕の外側にそってピーンと張ったような感覚と痛みがでるというものでした。
腕が上がらないことはないけど痛い、という状態なので五十肩というわけでは無さそうです。
検査してみると肩甲下筋という脇の下の筋肉と棘下筋という肩の後側にある筋肉がコリコリになっていました。この2つがコリコリになると肩に色々な症状が出ます。この2つの筋肉をゆるめると同時に、体の右捻れが強かったのでそれも調整しました。
結果として腕の痛みはとれ普通に動くようになり一安心。
で、興味深かった点というのは痛くなった原因です。
年末の大掃除のときに頑張って鍋を3個、1時間ほどかけ磨いてから痛くなったそうなんです。
たったそれだけの事で・・・
と思うかもしれませんが肩は実はとても繊細です。
そもそも肩関節は大きな可動域の代償にとても抜けやすくなっています。それを抑えるのが上で書いた肩甲下筋や棘下筋といったローテータカフと呼ばれる筋肉なのですが、運動不足で肩を動かさないでいると知らない間にこの筋力が低下してしまいます。
ローテータカフは脱臼を防ぐ働きがメイン。普通にものを持ったりする動きでは他の大きな筋肉が主として働きます。だからローテータカフの筋力低下は普段の生活では自覚しにくいんですね。
そういう状態で鍋をゴシゴシとこするという割と高負荷な反復動作を1時間も続けられると、ローテータカフは完全にオーバーワークになってしまいます。
オーバーワークで上手く機能しなくなったローテータカフは肩の動きをしっかりサポートできなくなるので、肩がスムーズ動かなくなります。そうすると痛みという症状になって出てくるんですね。
掃除や洗い物はついつい同じ動作の繰り返し多くなります。
特に急に思い立って一気に沢山やろうというときは要注意。
運動不足の人は、はやる気持ちを抑えてマメに休みながら掃除・洗い物をするように気をつけましょうね。
疲れたなと感じる前に休憩するのがポイントです!
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